2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

イデビアン・クルーで笑いの花が咲く。

世田谷パプリックシアターで振付家・井手茂太が主宰するイデビアン・クルーの公演「排気口」を観た。上げるところ下げるところが明確で緩急があり、観る者を飽きさせず、常に新しい刺激の中へ取り込んでいく展開に好感が持てた。様々なダンス様式、音楽、そ…

愛染五郎『おとうといもうと』

以前のエントリー(中村九郎『樹海人魚』 - Hasex.net blog)でも書いたのだが、帯やコピーが内容にそぐわない・マッチしていないともやもやする。どれほどいい作品であっても、覚えてしまった違和感の分、もったいないような気持ちになるのだ。 『おとうと…

柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』(8)

巻を増すごとに受け師さんのおっぱいが肥大化しているのだが、気のせいか? 帯のドラマ版広告の仲里依紗も見事なので、まったくおっぱいおっぱいしい(そんな形容詞があるかどうかは別として)表紙になっている。仲里依紗、かわいいなぁ。最近の三次元的ヒッ…

谷崎潤一郎『台所太平記』

電車に乗るときに鞄に忍ばせ、ゆっくりゆっくり読んだ。 作家夫婦の下で働く女中を「雇い主の目線」と「親の目線」との双方から描いていく物語。何か大きな事件、トリック殺人その他諸々あるわけではないが、ひとりひとり丁寧に描き出される女中たちの物語は…

田中ロミオ『AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜』

『人類は衰退しました』でぐーんと株を上げた山田ロミオの最新刊は学園ラブコメもの。 という触れ込みで読んではみたが、果たしてラブコメかといわれればちょっとわからない。確かにラブ要素もあるし、コメディーでもあるのだけど、単純に括れない気がしてな…

『百万円と苦虫女』(吉祥寺バウスシアター)

映画をほとんど見たことがない。名作も話題作も知らないものばかりだ。私は映画と無縁に生きてきたが、映画館は好きである。ただ映画を見るためだけに存在する空間、というのが心地よい。もしかすると私は「空間」が好きなのかもしれない。ライブハウスも、…

22歳からの性的肉体鍛錬。

思うところがあって、PC(pubococcygeus)筋を鍛えることにした。骨盤底筋・恥骨尾骨筋、ともいうらしい。この筋肉を鍛えることによって、強い勃起力を得ることができたり、射精のコントロールがしやすくなったり、回復力が早くなったり……要するに男性器に…

『闇金ウシジマくん』(12)、『新宿スワン』(14)

現代社会の闇と裏に切り込むマンガが同時期に刊行。 『闇金ウシジマくん』はサラリーマン編が完結。一見後味がよいような終わり方にも見えるのだが、最終話で小堀が残した言葉が気にかかる。この「ハッピーエンドに見えて全然ハッピーじゃないかも」というパ…

小西康陽・常盤響『いつもレコードのことばかり考えている人のために。』

両氏のファンであるため、ネットで一目見たときから気になっていた。どちらも無類のレコードコレクターということは、知っていた。特に常盤響さんは、実は、お会いしたことがある。ご自宅に上がらせていただき、そこで実際にコレクションの一部を見たことが…

めでたく馬鹿の仲間入り。

昨夜、サッカー五輪代表がアメリカに痛い一敗を喫しているころ、私は二日酔いの気持ち悪さと戦っていたのであった。亜鉛のサプリメントや胃腸薬を飲み、スポーツドリンクを飲み、うだうだと横になっていたのだが、どうにも復調しない。どうもおかしい。視線…

とても眠れる状況ではないのに眠くなる?

六本木でダンスパフォーマンスグループ「BABY-Q」の公演「Matar o no matar」を観た。主催者である東野洋子の「血」がだらだらと溢れているような刺激的な公演。映像効果、ノイズミュージック、フリージャズ……ダンスに様々な効果や演出が絡み合い、独特な空…

モードにとってクラシックは害なのか?

モードを毛嫌いするのではなく 受け容れる懐の深さこそ クラシックの余裕 これは大河原遁『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜』19巻の帯にあった言葉です。なんていい言葉なんだろう、とバイト中にも関わらずメモをとって持ち帰りました。 モードを受け…

太宰治『もの思う葦』

太宰に関する原稿を書かねばならなくなり、ちらちらと作品を読んでいる。『もの思う葦』はエッセイであって評論でもある。評論の対象が、人生であったり作家そのものであったりするのだが、随所に太宰がどのような思考やスタンスを持っていたがにじみ出てい…

舞踊で出来ることが、小説では出来ないのか?

神楽坂セッションハウスでマルグベン・ゲルベス&ダービッド・ブランシュテッターのデュオ・グループの公演を見た。知り合いがこのワークショップに参加していたので、お誘いを頂いたからだ。結論から言って、とてもよかった。(途中、やや冗長で疲れてしま…

多和田葉子『ゴットハルト鉄道』

何か書くことに自覚的になったとき、気にしだすといつまでも気になってしまうのが句読点だろう。どこに打つか、どう打つか、これはプロアマ関係なく、その人それぞれの意識によるところが大きい。手癖で打つのはよくない、と説く人もいる一方で、恐ろしいま…

恋愛は穏やかな日常を破壊するのか?

最近になって『SEX and the CITY』に熱中しまくっている影響で、私もキャリー・ブラッドショーよろしく、色々なこと(特に恋愛に関すること)を推察したり考察しては、カタカタと脳内テキストエディタに打ち込んで語尾に「?」を打つことがマイブームになっ…

三田誠広『天気の好い日は小説を書こう』

芥川賞作家の三田誠広が、早稲田大学で「小説創作」演習を行った際の講義録。初版が1994年でもう14年も前だけれど、講義の内容を「古い」とは感じなかった。あぁ、そう、たしかに言われてみれば……ということで、つまり小説という表現形態が、ある程度の閉塞…

残り続ける腕の傷と繋がらないインターネット

08.7/30分に書いたアレルギーテストで腕につけた傷が、まだ消えません。 注射針でちろちろと引っ掻く程度ということなので、あっさり消えるかと思ったら、お医者様の力加減のせいか私の肌の再生能力のせいかわかりませんけれども、未だに数本の傷が残ってい…