2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

4 シェアードワールドとしての作品作り

それでは「名無しの才能」たちに対して、一次創作者たち(転じて、プロの創作者たち)はどのようにアプローチしていくべきなのかを考えてみたい。 結論からいえば、「名無しの才能」に対しては無関心でいることが一番なのではないかと思う。 テレビアニメ『…

3 連鎖する才能

初音ミクと異なる方向で、ニコニコ動画のコミュニケーション力を推察することができる。それは、作品の連鎖があるということだ。 『魔理沙は大変なものを盗んでいきました』という楽曲がある。イオシスという同人音楽サークルが製作した『東方乙女囃子』に収…

2 作品を介在させたコミュニケーション

哲学者・批評家の東浩紀は二〇〇七年の著書『ゲーム的リアリズムの誕生』において、出版やラジオやテレビとインターネットの成長の仕方に違いがあると述べている。前者は、近代社会では大きな物語を大画面で画一的に伝達することを必要とし、その要請に応え…

1 「名無しの才能」にまずなってみる

数ヶ月前になるが、ニコニコ動画とクリエイターの関係についての論考を、某文芸誌に本名で寄稿したところ掲載された。 タイトルは『シェアードワールドの高等遊民』という。 せっかくなので、時機を逸する前にネットでも配信しておきたいと思う。ネットに関…