それっぽい、でいいじゃない。








豚肉とニラとエノキの韓国風ぶっかけご飯。


「○○風」というのはたいていうさんくさいものです。地中海風とかナポリ風とかありますけれど、本当に似ているのか、はたまたイメージだけなのかは区別が難しい。なぜって自分がその「○○風」を知らないわけですから。知っていれば、あーこれはイメージだけだな、なんて笑えちゃうこともできるのでしょうが、どうも外国の話をされると、弱い。だからとりあえず信じておくことにしています。


でも最近、海の向こうでは「ネオ日本食」みたいな似非日本食が出回って大変、みたいなニュースを見ました。おそらく日本人以外の人が「日本食風」のものを広めていったせいでしょう。これもまた、私と同じパターンですが、あながち笑えないことでもあります。自分も同じだしなぁ、という。


つまるところ、自己弁護ではないけれど、料理というのは膨大な「○○風」の上に成り立っているのではないか、とも思うのです。形式や伝統というのは、守るべき意思がある方が守ればよいのです。ただそれを「これが日本でも食べられているのだ!」なんて、目の前の料理だけで旅行をした気になるから、変なことになってしまう。


……私は何の話がしたかったのだっけ。そう、韓国風ぶっかけご飯です。具を炒めて、「わが家は焼肉屋さん コチュジャンタレ」に少々の醤油と豆板醤で味付けしました。ご飯にかけると、なかなかパワーのある味です。甘辛くて、うまい。


でもきっとこれは韓国に行っても食べられないでしょうから、あくまで「韓国風」なのです。まがい物上等。一番大切なのは「おいしい!」という食べる側の気持ち。もっと楽しく、色々な「○○風」を楽しんでいきたいものです。