1人前50円ちょっとなのに、なんだか贅沢気分。








この頃、マンガ『華麗なる食卓』を1巻から1日2冊ペースくらいで読み直しています。料理マンガとしても一級品ながら、ふなつ先生の描く女の子たちがたまらないくらいたまらなく、とても大好きな作品なのです。お金に困ったとき、蔵書を売って足しにしたのですが、これだけは売ってなるものか!と拒んだ思い出もあります。


22巻の対デバブラタ戦で、マキトがマトンカレーをつくるのですが、そこでこんなセリフがありました。肉質がラムよりも堅いことを問われると、マキトは「んなもんミンチにしたら関係ないやろ?」と言うのです。肉質が堅くてもミンチにしたら……そこでハッと、そうか、我が家の鳥むね肉たちも同じじゃないか!と。


味の深さなら、もも肉とむね肉はそれほど差はないように思います。問題は食感だけ。それをクリアすべく皆さん苦心して、蒸し焼きにしたり炭酸につけてみたり、まぁ、いろいろするわけです。でもミンチにしちゃえばいいのです。我が家にはフードプロセッサーがあります。内心、ニマニマしました。


鳥むね肉、牛切り落とし肉、新タマネギをフードプロセッサーにかける。新タマネギを水分が飛ぶくらいまで炒める。ボールに挽肉、炒めタマネギ、生卵、パン粉、塩、こしょうを入れてよく練り合わせる。フライパンをよく熱してから、まずIH強火設定で表面を焼く。肉汁が表面に見えたら、中火設定(もしくは弱火)にしてひっくり返す。その後、2度ずつ両面を焼き、最後に赤ワインを注いで蒸し焼きにする。ソースはハンバーグを取り出したフライパンで、ウスターソース、ケチャップ、醤油を入れて煮詰めてつくる。


鳥だけだとハンバーグとしては淡白になりすぎそうなので、脂の多い牛切り落とし肉を混ぜてみましたが、これが当たり!豚と牛の合挽肉よりもさっぱりしつつも、肉の旨味も感じられます。ミンチ作戦は大成功。昼間からちょっとだけワインを飲みつつ、舌鼓。


つまり「良書」というのは、こうして日々の生活に彩りを加えられるものじゃないか、と最近思うのです。実務的な側面も持ち合わせてこそなのではないか、と。だから私は、きっと料理マンガや料理エッセイが好きなのです。最近、自分の中のこういった「なぜ」「どうして」を解明するよう努めています。とてもいい傾向だと、思っています。