『3月のライオン』、『ニコイチ』……他。




某出版社のESが祈られたので、腹いせに日記を書く。
ちくしょー。もう二度とファミ通なんて買ってあげないんだから!


読了マンガが貯まっていたので、覚書みたいな感じでつらつらと。



羽海野チカ3月のライオン』(1)
ハチミツとクローバー』から羽海野チカに入った口だが、とにかく羽海野チカが描く人物は嫌いになれなくて困る。あぁ、こいつ嫌だな、生理的に嫌だな、という人物にめぐり合えない。だからこそ、あったかい気持ちで読めてしまうし、毒っ気もない。だが今作は代わりに、登場人物に「喪失感」という暗さや重さが入っているようで、1巻からぞわぞわさせられた。そこには、零を囲む家族構成(あかり・ひなた・モモ)の妙というか、ニクイなぁと思ったことが関係しているかもしれない。年長順にあかり(20歳以上?)、零(17歳)、ひなた(15歳?)、モモ(5歳?)となり、この家族、年齢がまったく重ならないのである。同年齢や同年代だからこそ共有できる感覚や感じ方を共有できないから、分かり合えないことや自分の考えが及ばない範囲が生まれてきて、登場人物の抱えるそれぞれの悩みにお互いが満足に干渉できず、手を差し伸べられないというもどかしさや悲しみが生まれているのではないか、と私は思った。
まだ1巻なので何とも言いがたいが、2巻では少しずつ見えてきた傷や痛みの面がどう掘り下げられるのか、また天才棋士である零が今後どうなるのか、楽しみで仕方ない。


金田一蓮十郎『ニコイチ』(4)
よかったね真琴さん!という巻になるのだろうけれど、面白さとしてはややフェードアウト気味。それもこれも「バレたらどうなってしまうのか?」というドキドキ感が読みの大きな楽しみを担っていたのだが、あっさりと(まぁ、女装してないとエッチができないとか色々あったにせよ)菜摘さんが許してしまったせいで「あっれー?」という感じなのであった。あとは息子の崇にどうするどうなるということなんだろうが、崇はいい子だから、またしても意外にあっさりいくんじゃないか……という心配がある。
菜摘さんの弟が出てきたけれど、なんと言うか、全然、波乱というほど波乱は起こさなそうな気もするので、個人的には盛り返しに期待したい4巻というところ。いや、面白いところは面白かったんだけども。真琴と須真子の脳内漫才とか。


和久井健新宿スワン』(12)
闇金終結。タチュヒコも助かって、平社員から中堅にランクアップ。もちろん、ランクアップ早々、またしてもガラッと展開していくのは、間延びもなくていい感じだった。この「次の日に何が起こるかわからない」は、『新宿スワン』というマンガには必須なんじゃないかなと思う。何で読んだか忘れたけれど、それは「現実に限りなく近い」感覚だからだ。
闇金編では牛尾と鼠賀の友情にスポットが当たりながらも、闇金らしい(?)やり取りや黒い根回しがあり、スリリングで興奮した。まぁ、結果的に真虎さん株ストップ高ということになったような気もするが、真虎さんがなぜこれほどタチュヒコに肩入れをしてしまうのかかが、これから描かれていくところなのかな、とも思う。


増田剛+永久保貴一『御石神落とし』(8)
ちょっとエッチな教養マンガという認識で読んでいたが、ついに最終巻になってしまった。最後には自分の習っているゼミの先生の孫とまでアレコレ致してしまう神成君の(御石神様のせいとは言え)ハーレムっぷりにハンカチを噛む思い。
8巻では平安に飛んだものの、今までと違い、制度や役職など込み入った話が多く、少々わかり難いようにも感じた。振り返れば民俗学的なパートにもっとも興味惹かれたこともあって、『御石神落とし』は4巻から6巻くらいまでが、私の中ではピークだったかもしれない。
平安流エッチ(基本は座位で、萎えない程度に軽く動くほどで留め、乳繰り合いながら1時間以上続ける。現代でいうスローセックスというところか)は、試してみるか、という気にさせられたけれども。


中村光聖☆おにいさん』(1)
超スマッシュヒット。声出して笑ってしまった。
キリスト教のイエスと仏教のブッダが、世紀末も無事越えたし下界でのんびりしようと東京立川でルームシェアをしながら暮らすという、設定からして「してやられた!」。聖書や経典を現代に投影させていじくってネタにしてしまうところなど、これは日本で生まれるべくして生まれた、いやもしかしたら日本でしか生まれ得なかったたんだ、と思えるような素晴らしさがある。
手塚治虫の『ブッダ』を漫画喫茶で「手塚治虫すげぇ……」と涙しながら全巻読破するブッダや、全チャンネルの全時間帯のドラマの感想ブログをつけている新撰組好きのイエスなど、まぁ、なんというか、これは間違いなく今後話題になる要注目の一冊。


桜井のりおみつどもえ』(4)
超パンツ!(褒め言葉)
アンジャッシュのコントを見ているような「勘違い」が生み出すバカバカしさに溢れている。4巻は特にパンツネタがえらい多くなっていた気がするが、ずっと前からこうだったかも。(3巻の内容がうろ覚えなので申し訳ないのだけど……。いつの間にか三女のエロ本設定とかなかったことになっている感がある?)パンツと変態と勘違いにまみれていて、頭をゆるーくしてお風呂で読むと素敵。
4巻は「佐藤が好きでしょうがない隊」と「千葉」の活躍が際立っていた、という印象。あと、チクビのために躍起になる三女が可愛い。ていうか、三女が一番萌えるキャラになってきたなぁ。