某ネットカフェより(2)




2日連続ネカフェ泊りである。
ネカフェを出発してネカフェに帰るのだから、難民スタイルといえばそういうことになるだろうか。
昨日のところより施設としては劣る。
その代わり料金が600円ほど安い。これは大きい。
今日は肉まんのおじさんのお恵みや、お酒の試飲をさせていただいたおかげで、食費を抑えることができた。
徳島ラーメンを食べようと思っていたのだが、眉山から下山(山道に外灯がほとんどなく、木で覆われた道などは真っ暗であった。月明かりがいかに明るいのかを嫌というほど思い知った。しかも、墓地がたくさんあった。ホラーはだめですホラーは)した時点で21時を過ぎてしまっていたので、あぁなんかもう食べるのも体に悪そうだ、どうせネカフェで何か飲むだろうし、今日抑えれば明日になって小豆島あたりで美味と出会えるかもしれない……などと適当に理由をつけ、空腹はやり過ごした。本当は食べなかったらこんなに歩いたし痩せるんじゃないかしらんという下心満載なのであるが、まぁ、それはそれ。人間そんなくらいでは痩せやしない。
野宿も考えたのだが、眉山下山が思いの外、体にダメージを負わせていた。
久し振りに足が痛いのだ。しかも、今まで痛くなかった部分が痛い。これは由々しき事態かもしれず、まだ4日目、あと2日はどこかで夜をすごすことになるのだが、体調を崩してもいけないし少しでも回復せねばと思い、ネカフェ暮らしを選んでしまった。
本来なら素敵な徳島ガールでも引っ掛けて、その娘の家に世話になるのがもっとも経済的で小説的でよいのだが、生憎そのような娘はおらず、また声を掛けることもなく、そもそも徳島ガールの顔に私はどうもピンと来ず、いそいそとネカフェに来てしまった次第。と、書いてみても、徳島ガールどころか女性に声をかけて云々などと、できるものではない。道を聞くくらいなら何てことはないけれども。


さすがに体も筋肉も疲弊しているようだ。あちこち痛む。今日は早めに眠ることしよう。リクイニングしないシートだが、風がなくて暖かいだけマシである。住めば都。まさしく。