バイキングで高貴な心を持つ方法。




昼過ぎから東長崎で演劇を一本。
なかなか企みのある演出と脚本だと思ったけれど、残念ながら役者が追いついていなかった。色々と思うところもあっただけに惜しかった。古典調な言葉遣いは、扱う側の技量が存分に必要なのだと思い知った。これは文章も同等なのかもしれない。どうだろう。


池袋シネリーブルで映画『スラムドッグ$ミリオネア』を鑑賞。とても面白かった。インドという未来ある大地の現実と幻想を織り交ぜた映像の数々に、体が震えたり、目蓋を震わせたり。でも脚本的には結構シンプルだと思った。特にエンディングに進むにつれて、その思いは大きくなった。けれど、最後の最後に、とてもいいシーンがあったので(「神は偉大なり!」)よかった。あのシーンのおかげで、考えが深まる。


見終えてから、メトロポリタンプラザ8階の〔香港蒸籠〕で中華バイキング。料理はそこそこだったけれど、そこでバイキングの極意というか、楽しみを考え直した。食べ放題だと、つい「食べなきゃ損!」と思ってしまうのだけれど、それは真意ではなくて、あれは「食べたいものをちょこっとずつ食べて満足する」のが一番なのだ。


強く思ったのが、青菜炒めを食べているとき。私は普段、どうも中華料理屋で青菜炒めを注文する気になれない。おいしさはわかっていても、同じような値段でホイコーローやチンジャオロースーが食べられると思うと、なんだか損した気分になってしまうのです。で、いざ青菜炒めを注文して食べてみると、これが少量で満足してしまったりする。


バイキングというのは、そういうあらゆる想いを昇華させる場なのだ、と。青菜炒めもホイコーローもチンジャオロースーも、中華料理屋レートで200円分ずつ食べる、みたいな感じ。でもそれって結構贅沢というか、そういう考えの方が、とても高貴な気がする。