コンテで泣いて、演劇で笑って、ラーメンを食べて。




メモ書き程度にあったことをつらつら。


10月18日
[観劇]マドモアゼル・シネマ『不思議な場所』@神楽坂セッションハウス
コンテンポラリーダンス見てきて、はじめて泣いた。郷愁と愛しさと悲しさが同時にぐわっと胸に迫ってきた。色彩感覚、映像のギミック、踊りの卓越さ、物語性を感じる舞台運び、どれも絶賛せざるを得ない。もう一度見たい。


10月19日
[鑑賞]早稲田文学10時間連続シンポジウム『文芸批評と小説、あるいはメディアの現在から未来をめぐって』@早稲田大学
方々で感想は書かれているだろうし『早稲田文学』誌上でも特集が組まれるそうだし、確認していないからわからないけれど、ニコニコ動画に音声だけでフルサイズ上がっていたから、興味がある方はそちらをぜひ。概ね有意義だったのではないか、と思う。自分の頭の足りなさに辟易。もっとがんばる。勉強になった。
昼飯は[ほか弁](今は「ほっともっと」でしたっけ)でのり弁当をテイクアウト。あの白身魚のフライの正体は何なのだろう、と考えると、小学生のときの給食で出てきたメルルーサとかいう名前の白身魚を思い出すけれど、きっとそれとは違うんだろうな。夕飯は護国寺の[ちゃぶ屋]で醤油味らぁ麺。小奇麗な店内で淡々とすする。うまい。でも、漂うオシャレ感に若干の息苦しさ。道中、講談社を見上げて、何かの官僚施設か宮殿かと思った。さすがである。


10月20日
[観劇]福島泰樹『短歌絶叫コンサート 中原中也 別離』@渋谷アピア
歌人福島泰樹が、自作はもちろんのこと、中原中也などの詩を楽曲にあわせて朗々と叫び唄うステージ。難しい表現は耳鳴れないため一瞬で理解することができずもどかしい。少しくらい詩歌の知識をつけていけば、また違ったかもしれない。しかし新たな詩歌の可能性というか、唄うために創られたものではない「詩」であっても、それは演者によって立派な音楽となることを、福島泰樹はステージで表明していた。


10月22日
[観劇]『DANCE-X 08』@青山円形劇場
日本、韓国、カナダの3国の若手振付家によるコンテンポラリーダンスの創作祭。3ヶ国を順繰りに公演してきて、日本は青山円形劇場であり、ツアーファイナル。何といってもモントリオール(カナダ)のメラニー・ドゥメルスの作品『LES ANGLES MORTS (Dead Angles)』が秀逸。日本語で訳せば「死角」という単語らしいが、要は自らの目の行き届いていないところまでをもっとしっかり見よう、それは社会や世界や個人の問題すべてにおいてもそうだ、というメッセージが込められているそうだ。(終演後のポストトークで言っていた、本人談。)ダンスのレベルはもちろんのこと、作品世界の深さ、大きさ、印象深さ、どれをとっても3作品中でもっとも強烈。韓国のキム・ユンジョンの作品『MEETING YOU』は、出だしは不可思議で興味が注がれ注視させるのだが、進むにつれて次第にだれる。暗闇に浮かぶ映像効果も繰り返すごとに眠気を催してくる。惜しいな、というのが正直なところ。日本の浜口彩子の作品『無敵 MUTEKI (invincible)』は、上記の作品たちと比べると、日本がいかにダンス後進国であるかを露呈してしまっただけのように思える。これがこの人の作品中でも異色のものであることを願うばかり。


10月25日
[観劇]イキウメ『図書館的人生 vol.2 盾と矛』@三鷹市芸術文化センター
笑って考えさせられて、本当に面白い演劇だった。これは間違いなく戯曲がよい。それをしっかりとこなせて無理なく笑わせてくれる演者も素晴らしい。ところどころコント調ではあったけれど、シリアスなパートも用意してあり、緩急の差が憎い。まったく飽きることなく見ることができた。次の機会が待ち遠しい。



11月は1日〜3日まで大学の文化祭があり、私はこじんまりと出展側で楽しませてもらった。大学最後のお祭り騒ぎにも特に乗じることなく、私はひっそりと、この大学を去ることになそりうだ。もっとも、まだ卒業が確定していないので、そちらを頑張らないといけないのだけど……。


4日は昼飯に吉祥寺[春木屋]の中華そばを食べた。スーパーのラーメン売り場にあるような、スタンダードな生タイプの醤油ラーメンを、ぐぐっと深くして美味くした感じ。ダシの良さというのか、何なのか。昨今はあれこれと手を尽くしているタイプのラーメンが多い中で、やはりこういうものも、なくてはならないと思う。