吉祥寺「吉祥寺麺通団」




讃岐うどんを食べ歩いてコラムを書き、テレビやラジオで讃岐うどん愛を炸裂させてファンを増やし続け、その活動が映画化もされた「ゲリラうどん通ごっこ軍団」、通称「麺通団」の関連店のひとつがこの「吉祥寺麺通団」。
場所はヨドバシカメラの裏、吉祥寺図書館の並び、ライブハウスとして有名な「STAR PINE'S CAFE」の脇の道を入ったところにある。
さて、麺通団の関連店というわけだから、つまり彼らが店を出すということは、それなりの自信と野心がなければできないことだろう。まして東京へ進出となれば、そのうどん愛がどこまで本物か、そしてうどんそのものが本物なのか、食する者は心を躍らせながら注文する他ないのである。
入ってすぐに、まずはうどんを頼む。程なくお椀に盛られたうどんをくれる。その後、天ぷらやおにぎりなどが並んでいるので、食べたいものをセルフで取って、最後にお会計。一般的な讃岐うどんスタイルだ。
かけうどんの出汁は、私が香川で震撼した「蛇口ひねると出汁がジャー!」方式を採用していた。刻みネギ、おろし生姜、すりゴマは入れ放題。
私はしょうゆ中400円+なす天100円。
彼女はしおかまたま中500円+ごぼう天100円。
さて、まずは私から。シンプルに少量の大根おろしと醤油のみのうどんに、ネギをちらしてずるっといただく。これは、うん、これなら文句がないのではないだろうか。本場讃岐で食べたものに近いおいしいうどんだ。値段もそれほどの割高感はない。コシもあり、のどごしもいい。小麦の香りが最後にふわっと、わずかではあるが鼻を喜ばせてくれるのも、数ヶ月前に食べた豊かな讃岐うどんの味を思い出すようで何とも嬉しい。
彼女のしおかまたま、これは限定メニューらしいが、私はあまりオススメしない。塩味のかまたまという珍しさもあり、最初の二口まではなかなかうまいのだが、いかんせん塩味がきつく、最後あたりが辛くなる。味を変えようにも塩味が立つので、いかんともしがたい。もしかすると彼女のものだけたまたまそうなってしまったのかもしれないが、変化球よりはまずは「しょうゆ」や「かけ」など、王道をずるっと食べてみてほしい。ごまかさなくても十分にうまいうどんだ。もちろん、変化球が好きなら止めはしないのだけれど。
天ぷらはどちらもなかなか。なすは大きく食べ応えもあり、いい感じだ。どうやら酒の提供にも力を入れているようなので、金銭に余裕のある方は、酒の肴に天ぷらをつつき、シメにずるずるっと……という贅沢構成が出来そうだ。
吉祥寺に新しい「鉄板の昼食処」ができた、と私は思う。また行きたい。