秋葉原「BROWNIE」




某T社での面接を終え、秋葉原で彼女と落ち合って昼食をとった。
以前にネットで見つけ、ずっと気になっていた「BROWNIE」へ。
JR秋葉原駅からなら、電気街口を出て、中央通りを末広町方面へ直進。末広町交差点まで来たら、妻恋坂方面へ少し歩く。無骨なラーメン屋の隣に、小さなプレートを掲げた8席の店がある。
行ってみると満員で、しばし待った。ここのメインはカレーやオムライスなどのワンプレートもの、いわゆる「汁かけめし」なので回転は悪くないのだろうが、あいにく今は店主ひとりで営業しているため、どうしても時間がかかる。なので、気長に、特に繁忙時間は気長に待つのである。
ここの売りはベトナム風チキンカレー。ココナッツミルク100%の文字に胸が躍る。よし看板メニューでいくかなと思っていたのだが、私には「牛すじカレー」と「牛モツカレー」(どちらも単品として頼むことも可能)をミックスさせた「ホルモンカレー」なるものが気になって仕方なくなった。飲み屋といえばモツ煮込みは外せないという思想の私にとって、牛モツは特別な存在。その牛モツをカレーに……?という、飲み屋大好き人間の性というべき反応に、体が耐えられなかったのだ。ベトナム風チキンカレー(ゆで卵入り)650円を彼女に譲り、私はホルモンカレー650円をいただくことにした。
まず、ベトナム風チキンカレー。ちょいちょい彼女からいただいたのだが、まったく衝撃のカレーと出会ってしまった。しっかりとしたカレーの辛味はあるが、ココナッツミルクのやさしい甘さがそれを包んでくれている。何より素晴らしいのがゴロッと入った野菜で、ニンジンとジャガイモだったのだが、形が崩れることなく存在しているにも関わらず、味は中までしっかりと染み、口に入れるとほろほろとほどけていくのだ。カレーに入っている野菜がこれほど美味しいと思ったことはない。
次に、ホルモンカレー。こちらは欧風というか、いわゆる私たちがカレーと聞いて想像する系統のもの。ところが、こちらも絶句する美味さ。ホルモンのエキスが沁みた深い味と形がないほど煮込まれた野菜のほのかな甘さが調和して、これまで食べてきたカレーはいったい何だったのだ、こんなに美味いカレーがあっていいのか、いやもちろんいいんだが!なんて思いつつ、スプーンが止まらなくなった。牛すじも牛モツも具というよりソースの一部のように惜しみなくたっぷり入っていて、ケチくさくなく好感が持てた。
量もなかなかあって価格も手ごろと、実に満足な昼食になった。
秋葉原に行ったときには迷わず候補に入れる、いやもう通ってしまいたいほどなのだが、私がこのように書くことによって、行く人が増え、座れなくなるのも困りものだなぁなどと矮小な考えを持つのだけれど、そもそも私もネットでこの店を見つけたのだった。時すでに遅し。なので皆さん、どうぞ足を運んで、このカレーに打ちひしがれてください。私もきっとまた、行くでしょう。間違いなく。