大学4年間を経て諸先輩方へのご挨拶、という文。一応。




オンナノコの裸にときめかなくなって久しい。僕が中学生、つまり多感で貪欲ではちきれそうな心を持っている頃には、まだインターネットなんか全然遅くて話にならなくて、何をするにも簡便でスマートな紙媒体が優秀だった。そんな時代は遥か、気づけば僕はインターネットで玉石混交のオンナノコの裸を見飽きるまで見て、今では「脱ぐよりも滲み出るエロさを嗅ぎたい」などと訳知り顔で話していたりする。8年前の僕が聞いたら、まぁ、右ストレートくらいは覚悟しなくちゃならない。


お酒に関してもそうだ。飲むこと自体が楽しかった時代を経て、もはや友人の家で飲み会をするのは何ら珍しい行事ではなくなってしまった。先日、友人宅で酒を飲んだとき「このメンバーで酒を飲むのも最後になるかもしれないね」と、僕は乾杯してすぐに言った。よくわからないぺらぺらとした笑いがその場に漂った。当たり前にあると思っていることが、実は大きなときめきを失う代わりにあるものだというのを、僕はここでも感じずにはいられなかった。だから大人になるということは、ときめきをすり減らしていくことなのかもしれない。


大学生活で僕はいくつのときめきを食いつぶしたろう。そう思って春からの新社会人生活をぼんやりと想ってみると、自分にはまだわからないことがたくさんあった。僕が食いつぶしたときめきなんて、ほんの些細な余剰分、つまらないことばかりだったのに気づいたのだ。これからの方が人生は長くて、これからの方が人生は面白い。僕は楽しみで仕方ありません。そして僕が大学で学んだことは、こうやって誰かに文章で何かを伝えようともがくのは、ときめきを生み出す行為である、ということだ。食いつぶした分のときめきを取り戻す作業なのだ。いま、ここから、ときめきがどこかへ。皆さん今日は。



大学の交友会報にちょっとした原稿を書くことになって、とりあえず書いてみたら、こんなことになった。書き終わって字数が大幅にオーバーしているため、あえなくボツにした。けど、ちょっと頑張ったので、せっかくだからここに載せる。