半分成功サプライズバースデイ。




昨日は彼女と吉祥寺で待ち合わせ、生誕を祝ってもらった。
昼食をとったカフェも、夕食に選んだ居酒屋も、とてもよかったので、それは別途食事タグで書くとしよう。



誕生日プレゼント、ということで時計をもらった。
薄くブルーに光って、これが大層格好がいい。末永く愛用させてもらうつもりだ。
私が就職活動をする際にしていく時計がない、などという言葉をしっかり覚えていてくれたようで、もう一ヶ月も前から買って用意していたのだそうだ。ありがたい。これをつけて、また明日から取り組もうと思う。私は右手の薬指に指輪をしていて、それは彼女とお揃いであるのだけど、今度は左の手首にこの時計が来ることになり、なんというか、彼女と両手をつないでいるような気恥ずかしさがある……のだが、もちろん、ええと、恥ずかしさを承知で言えば、それは私にとって喜ばしいことでもある。大切にしようと思う。


夕食を済ませた後で、さてこれからどうしよう(基本的に私たちはノープランで行動することが多い)とふらついていると、彼女が突然大学に用事があるとかで、さよならすると言う。私は、実はこっそり、一緒に慎ましくケーキでも食べたいなぁなどと考えていたので、とても寂しい気持ちを抱きながら、手を振った。彼女が駅の改札で、私に封筒を渡した。中には手紙とコインロッカーの鍵が入っていた。ははぁ、なるほど、サプライズだな、とすぐに思った。ところがこのコインロッカーが見つからない。駅をぐるぐるした挙句、半ば「もうこんな寂しい思いをしてコインロッカー求めてさまよう私っていったい……」などという気持ちになりながら、彼女にメールで場所を聞き、目的のロッカーを探し当てた。鍵を開けると、箱に入ったワンホールケーキが入っていた。
家に帰ってもくもく食べよう、と思って歩いていると、彼女から入電。
「今どこにいるの!?」
「え、もう帰る途中だけど」
「なんでよー。駅にいるから帰ってきてよ!」
言われるままに引き返すと、そこには彼女の姿があった。聞けば、彼女のプランではこうだったらしい。

改札に入って帰るフリをする → 私がロッカーからケーキを出す → その瞬間、後ろから声をかけて「サプラーイズ!」

ところが悲しいかな、彼女は改札に入った瞬間に私を見失ってしまい、結局それが出来なかったというのだ。ただ、ケーキ自体はとても驚いた(あとで手作りと判明してさらに驚いた)ので、サプライズは半分成功、というところだろうか。
そのケーキはその後、ごく少数ながらいる花見客で騒がしい井の頭公園のベンチで、ふたりでもくもく、ワンホール食べきってしまった。いちごのショートケーキは、クリームの甘さといちごのすっぱさがよくあって、案外ぺろりと食べられた。
私は、なんだかとても、とても、嬉しかった。
それは、私がいちごを愛しているという好みを知って、彼女がいちごのショートケーキをつくってくれたこともそうであるのだが、それ以上に、その空間と、今日という日を、彼女と共有していることが嬉しいのであった。
ありがとうございました。ごちそうさまでした。